投資・金融・会社経営: 2019年8月アーカイブ
「見えない資産」を活かせ!
目次は次の通りです。
第1章 日本の資本市場の現状と課題
第2章 世界の投資家の日本企業に対する認識ーグローバル投資家サーベイ
第3章 日本企業の現金価値のディスカウントと配当政策
第4章 日本企業のROEと企業価値の実証結果
第5章 マクロ的な観点からのROE-資本・労働の生産性と分配
第6章 ESG投資の意義と効果
第7章 非財務資本とエクイティ・スプレッドの同期化による価値創造
終章 鼎談ー日本企業の価値創造の処方箋
なぜ日本企業は不当に低く評価されているのか?
「見えない資産」を活かせ!
上場企業(金融除く)のバランスシートには依然として200兆円近い広義の現金(現金+有価証券)が積み上がり、上場企業の1割以上で広義の現金の方が時価総額より大きい。
アベノミクス前後で株価もROEもほぼ倍増したが、企業価値の創造は十分ではない。
一方、ESG(環境、社会、統治)ブームの中、ROEを忌み嫌う一部の経営者も非財務情報のアピールには熱心であるが、日本企業のPBR(株価純資産倍率)はほぼ1倍で推移しており、非財務資本の価値が付加価値として市場から認識されていない。
その背景には、日本市場の長期的低迷、「資本の価値」の低評価、企業と投資家の認識ギャップ、低いROEとコーポレートガバナンスの問題等があり、歴史的文化的要因も含めてきわめて根が深い。
近年アベノミクスのガバナンス改革、「伊藤レポート」などでROEは向上してきたが、いまだ道半ばであり、その質が問われている。
皮相的なROE経営ではなく長期的持続的な価値創造に貢献することが重要である。
わが国企業には資本コストやROEが十分に理解されていないのではないだろうか。
あるいは当局のリードに盲目的に追従して皮相的なROE経営や横並びの配当政策に陥っていないだろうか。
一部の投資家のショートターミズムも悪影響を及ぼしてはいないだろうか。
そして究極的には、企業価値は非財務資本から財務資本に転換されて生成されると考えられるが、いかにしてそれを具現化して資本市場の理解を得ていくのか。
潜在的には非財務資本の価値がきわめて高いはずの日本企業が過小評価される事態に陥っている現状を打破し、コーポレートガバナンスや財務リテラシー、ESGとそのIR(説明責任の履行)を改善することで、大きな企業価値の向上が図れるのではないか。
ESGが救世主になる可能性があるのではないだろうか。
こうした思いでわれわれ3人はそれぞれ啓蒙活動をしてきたが、本書は3人の長年の日本企業の企業価値向上への思いを伝える集大成と言って良い。
今後の潮流を読むうえで参考になる書です。
<印象に残った一文>
「儲けてこそ商い。一生懸命とか、精一杯とか口先だけのこと。聞く耳もちません。」
経験ゼロから長く続ける
目次は次の通りです。
1章 長く続けるための起業はじめの一歩
2章 自然に買ってもらえる仕組み作りー売り込まずにお客様を集めて、魔法のスイッチを押す!
3章 仕事の安定継続のためにお客様を増やし、リピート率を上げる
4章 チームを作って仕事の質をワンランク上げる
5章 10年後も仕事がうまくいく人のマインド
6章 悩みは成長のサインーステージアップのための課題解決
起業して長く生き残るには、ビジネスの「見直し・リブランディング」が必要。
30代で独立し、18年後の今も売上3,000万円をキープする著者が教える、起業後に必要な見直しチェックポイント。
いろいろなヒントが詰まっています。
<印象に残った一文>
「どんなにAIが発達しても、新しいツールが発生しても、客様の「欲しいです」という言葉を引き出すためには、お客様の事をさまざまな角度から見て、考えないと実現できません。」
ある日突然起きたトレーラーの脱輪事故
ある日突然起きたトレーラーの脱輪事故。
整備不良を疑われた運送会社社長・赤松徳郎(長瀬智也)は、車両の欠陥に気づき、製造元である大手自動車会社のホープ自動車カスタマー戦略課課長・沢田悠太(ディーン・フジオカ)に再調査を要求。
同じ頃、ホープ銀行の本店営業本部・井崎一亮(高橋一生)は、グループ会社であるホープ自動車の経営計画に疑問を抱き、独自の調査を開始する。
それぞれが突き止めた先にあった真実は大企業の"リコール隠し"-。
果たしてそれは事故なのか、事件なのか。
どんどん物語の中に引き込まれていきます。
組織が抱える闇を見事に暴いた書です。
<印象に残った一文>
「人生、いろんなことがあるよ。楽しまなきゃ。」