科学・テクノロジー: 2009年11月アーカイブ
現代物理学による探究の成果
宇宙を織りなすもの 下(ブライアン・グリーン著)
<草思社>定価2,200円+税
目次は次の通りです。
第3部 時空と宇宙論(承前)
(ビッグバン直後/ビッグバンとインフレーション/夜空に残るインフレーションの痕跡)
第4部 統一とひも理論
(宇宙は「ひも」でできているか/宇宙は「ブレーン」のなかにあるか)
第5部 空間と時間への新たな挑戦
(実験と観測による挑戦/テレポートとタイムマシン/時空は本当に宇宙の基本構造か)
時間も空間も伸び縮みする」とは、
いったいどういうことなのか?
「宇宙は膨張している」とは、宇宙の何が膨張しているのか?
あるいは、
「宇宙は一枚の膜かもしれない」
「量子力学を使ったテレポーテーションが成功した」
「ブラックホールを作る実験を行う」
など、
耳を疑うような物理学の主張は、
いったい何を意味しているのか?
そしてそれらの物理学の成果は、
私たちの時間と空間に対する見方をどう変えるのだろうか?
『エレガントな宇宙』の著者ブライアン・グリーンが、
現代物理学による探究の成果を、
一望のもとに描き出す書です。
時間と空間の正体
宇宙を織りなすもの 上(ブライアン・グリーン著)
<草思社>定価2,200円+税
目次は次の通りです。
第1部 空間とは何か
(宇宙の実像を求める旅路/バケツを使って宇宙を探る/相対と絶対/非局所性と宇宙)
第2部 時間とは何か
(時間は流れない?/時間の矢という問題/時間と量子)
第3部 時空と宇宙論
(対称性と時空)
物理学によれば、
私たちの時間と空間に関する常識的な感覚は、
どうしようもないほど間違っているそうです。
たとえば、
「時間は流れるもの」
「歴史はひとつのはず」
「空っぽの空間ではなにも起こらない」
という常識的な考え方は、
どれも間違っているというのです。
物理学は、いったいどのように私たちの「常識」をくつがえすのか?
この世界の本当の姿は、
私たちの「常識」から、どれほどかけ離れているのでしょうか?
『エレガントな宇宙』の著者ブライアン・グリーンが、
現代物理学のもたらす世界像を鮮やかに描き出した作品です。
人間の本質
化粧する脳(茂木健一郎著)
<集英社新書>定価680円+税
目次は次の通りです。
第1章 顔は口ほどにものを言う
(顔とコミュニケーション)
第2章 化粧は鏡であり、窓である
(化粧の脳科学)
第3章 美女と野獣
(美の進化論)
第4章 饒舌と沈黙のあわい
(秘密を抱く女は美しい)
第5章 そして世界は、明るくなった
(メタ認知と自己批評)/鏡や化粧を通した自己認知(恩蔵絢子)
特別座談会 「化粧を生きる」という視線
人は無意識のうちに、
他者の「顔」からその心を読みとっているのです。
人間は中身であると言いながら、
見た目の美しさに魅了されたり、
内面を外見から類推したりしています。
顔は心の窓であり、
見た目は対人コミュニケーションの鍵なのです。
化粧を通じた画期的な研究によって、
自分の見た目を装うことの重要性が明らかになってきました。
鏡に映る自分を見つめ、
形作っていくことは、
他者の視点から自己を見つめることにつながるのです。
そして、
そのことが社会的知性を育むのです。
人は誰もが外見を装い、
内面にも化粧をして生きています。
化粧を通じた新しい知見から、
人間の本質が見えてくるのです。
著者独特の切り口が興味を湧かせる本です。