歴史・地理: 2016年5月アーカイブ
方法と戦略
「新しい戦争」とは何か [ 川上高司 ] |
目次は次のとおりです。
第1部 新しい時代の戦争方法
(「混迷するアメリカ」と世界ー新たな戦いの始まり/新時代の核戦略ー「一般抑止」と「核のノーム」/軍隊の新しい主任務ーHA/DRと平和活動/LAWS(致死性自律兵器システム)の戦争/新時代の政軍関係/軍事力と経済力ー経済力万能神話の消滅と代替可能性の終焉)
第2部 各国の「新しい戦争」観と戦略
(アメリカ流の戦争方法ー「2つの戦争」後の新たな戦争方法の模索/日本流の戦争方法ーソフト・パワーと日本の国家戦略/ロシア流の戦争方法ー「ハイブリッド戦争」/中国流の戦争方法ー習近平政権下の軍事戦略/北朝鮮流の戦争方法ー軍事思想と軍事力、テロ方針/トルコ流の戦争方法ー地域安定の主要なアクター/湾岸諸国による新たな積極行動主義ー体制転換の脅威と対テロ政策の拡大/中東・北アフリカ地域の戦争方法ー武装勢力の動向から/インド・パキスタンの戦争方法ー「核の下での通常戦争」をめぐる動き/ベトナム・フィリピンの戦争方法ー大国の狭間に置かれた中小国の戦略/チェコスロヴァキア流の戦争方法ー1938年の失敗と日本外交への教訓)
新しい戦争、新しい技術は何をもたらすのか??
各国別、安全保障のイシューごとに「新しい時代の戦争方法」をマクロ的・ミクロ的に論じる書です。
硬い内容ではありますが、面白い切り口の本です。
<印象に残った一文>
「無極化の時代」
埋もれた歴史を掘り起こす
幕臣たちは明治維新をどう生きたのか [ 樋口雄彦 ] |
目次は次のとおりです。
第1章 幕府瓦解ー幕臣たちが迫られた究極の選択
(三つの選択肢ー駿河移住・朝臣化・帰農商/それ以外の進路/亡命者たち/巻き込まれた人々)
第2章 明治に生かされた幕府の改革ー身分を超えた人材登用
(身分の壁を超えて幕臣に/洋学が立身の基礎/「武」への期待/好結果を生んだ幕府のリストラ)
第3章 新史料から読む「その後」-大久保利通がみた旧幕臣たち(大久保利通文書のなかの旧幕臣/評価された元幕臣官僚)
第4章 知られざる敗者たちー成功と没落のあいだ(手に職を付けて/没落か転身か)
明治維新という激動に直面した幕臣たち。
幕府の倒壊とともに身を沈めた者がいた一方、
むしろ維新後にこそ才能を開花させた者もいた。
その多様な軌跡をたどって、埋もれた歴史を掘り起こす書です。
面白い切り口の本です。
<印象に残った一文>
「徳川家を支えた人の層は明治以前と以降とではすっかり入れ替わったといえる。」
暴発する中華帝国
中国4.0 [ エドワード・N.ルットワーク ] |
目次は次のとおりです。
序章 中国1・0-平和的台頭
第1章 中国2・0-対外強硬路線
第2章 中国3・0-選択的攻撃
第3章 なぜ国家は戦略を誤るのか?-G2論の破綻
第4章 独裁者、習近平の真実ーパラメータと変数
第5章 中国軍が尖閣に上陸したら?-封じ込め政策
第6章 ルトワック戦略論のキーワード
2000年以降、「平和的台頭」(中国1・0)路線を採ってきた中国は、
2009年頃、「対外強硬」(中国2・0)にシフトし、
2014年秋以降、「選択的攻撃」(中国3・0)に転換しました。
来たる「中国4・0」は?危険な隣国の真実を世界最強の戦略家が明らかにする書です。
一般報道では知ることのできない内容です。
中国の現状が見えてきます。
<印象に残った一文>
「コントロールも日毎失われている。」