ノンフィクション: 2016年6月アーカイブ
名門企業を壊したのは誰か
シャープ崩壊 [ 日本経済新聞社 ] |
目次は次のとおりです。
序章 人事抗争による悲劇
第1章 追い込まれたプリンス
第2章 実力会長の誤算
第3章 復讐のクーデター劇
第4章 内なる敵を排除せよ
第5章 受け継げない創業精神
第6章 危機再燃で内紛勃発
第7章 頓挫した再建計画
終章 悲劇は終わらない
シャープは権力者の人事抗争の末に悲劇が起きた。
堺工場に代表される液晶事業への身の丈にあわない巨額投資の失敗はもちろんだが、
経営危機に陥った後に内紛が激化し、効果的な打開策を打ち出せず、傷口が広がったのです。
名門企業が権力抗争によって瞬く間に転落する姿を描く書です。
どんな企業でも起こりえることだと思います。
著者の丁寧な調査に脱帽です。
<印象に残った一文>
「経営者のエゴや保身によって権力闘争が火を噴くと、会社は危機に陥り、社員たちが最大の犠牲者になる。」
九つのノンフィクション
サービスの達人たち [ 野地秩嘉 ] |
目次は次のとおりです。
ロールスロイスを売り続ける男
東京っ子が通う「並天丼」の魅力
ナタリー・ウッドの背中を流したかった
チーフブレンダーの技と素顔
伝説のゲイバー、接客の真髄
命懸けで届けた被災地への電報
銀座より新宿を愛したナンバーワン・ホステス
「怪物」と呼ばれた興行師
ヘップバーンも虜にした靴磨き
人が求めるサービスがあれば、そこには必ずプロフェッショナルがいる。
ロールスロイスを売りさばく辣腕営業マンから、
接客の真髄をみせる伝説のゲイバーのママ、
そして、あのオードリー・ヘップバーンをも虜にした靴磨きまで、
技を極めた達人たち。
名もなき“職人”である彼らの姿を追いながら、
本物のサービスとは何か、
サービスの極意とは何か、に迫った九つのノンフィクションです。
サービスの原理原則がぐっと詰まった本です。
<印象に残った一文>
「お客様がしてほしいことをしてさしあげる。それがサービスです。」