社会・政治: 2016年4月アーカイブ
どこまでがセーフでどこからがアウト?
最新判例にみるインターネット上の名誉毀損の理論と実務 [ 松尾剛行 ] |
目次は次のとおりです。
第1編 総論
第2編 理論編
第3編 実務編
時に激しく対立する「名誉毀損」と「表現の自由」。
どこまでがセーフでどこからがアウトなのか、
2008年以降の膨大な裁判例を収集・分類・分析したうえで、
実務での判断基準、メディア媒体毎の特徴、法律上の要件、紛争類型毎の相違等を、
想定事例に落とし込んで、わかりやすく解説する書です。
一度は抑えておきたい内容です。
<印象に残った一文>
「インターネットの普及した現在、SNSやブログ等を通じてすべての人が「表現者」となり、その表現が名誉毀損となり得る。」
第一人者が読み解く
突然死の危機に陥る中国と韓国 [ 宮崎正弘 ] |
目次は次のとおりです。
第1章 劣化が止まらない反日国家
(慰安婦問題の突然の合意で窮地に陥る韓国政府/靖國爆破未遂事件の真相 ほか)
第2章 共倒れが確実となった中国と韓国の経済
(加速する中国・韓国経済の瓦解/闇金に支配された韓国に迫る国民経済の崩壊 ほか)
第3章 崩壊して終わる中国・韓国の世界戦略
(「航行の自由」作戦で追い込まれた中国/議会から論壇まで対中強硬路線に転換したアメリカ ほか)
第4章 中韓は社会の大混乱で「突然死」へと向かう
(社会不安に陥る中国・韓国で強まる国内統制/「親日派」とされる朴大統領の妹の正体 ほか)
2016年に入り再び始まった上海株と人民元の大暴落、
そして台湾での独立派政権の誕生など、
ますます追い詰められている中国。
それに伴い、中国に傾斜していた韓国経済は崩壊危機に陥り、
米国から迫られた慰安婦問題の日韓合意で国内分裂、
さらには北朝鮮の水爆実験で朴槿恵政権は大混乱に陥っている。反日で共存共栄するつもりだった両国の思惑は外れ、
むしろ共倒れへと向かっています。
最新情勢から中国、韓国とアジアの今後を第一人者が読み解く書です。
中国と韓国についての理解が深まります。
<印象に残った一文>
「今の中国はめちゃくちゃな状況である。」
礼的思想と法的秩序
中華帝国のジレンマ [ 冨谷至 ] |
目次は次のとおりです。
1 中国古代の礼
(『論語』に見える礼/心の中の礼ー孟子/作為の礼ー荀子/礼典の成立)
2 中国古代法の成立と法的規範
(法の起源と展開/律と令の法形式/律と令の法典化/中国法の原理)
3 交差する礼的秩序と法的秩序
(礼から法へ/処罰される感謝の行為/法と礼の男女関係/殺人の奨励と礼賛)
いまや中国は世界有数の経済大国となったが、
中国を相手にする企業・政府は、彼らの無法で無礼な振る舞いにたびたび困惑させられる。
しかし、そもそもかの国は、孔子を筆頭とする礼の思想の発祥地であり、
古くからローマ法に比肩するほど完成度の高い法を有する文明国のはずです。
現在との落差はどこから生じたのか?
われわれは中国人の言動をどう理解すればよいのか?
古代中国で生まれた「法」と「礼」の概念はいかに展開、交錯し、現在にいたったのか?
その過程を追い、中華思想の根本原理を問い直す書です。
中国の実像が見えてきます。
<印象に残った一文>
「中国では伝統的に、道徳による政治、つまり徳治を法律による政治の上位においてきた。」
経済学と小説の“新結合”
経済学私小説 <定常>の中の豊かさ [ 齋藤誠 ] |
目次は次のとおりです。
1 “定常”の中で市民として
2 “定常”の中で公僕として
途中で編集者から読者へー「あなたが戸独楽先生ですか?」
番外篇/著者と編集者から読者へー『経済学小説』を真に役立てるために
番外の番外 賃上げとは?-ある左派政党幹部の鬱病(?)
最後に編集者から読者へー「夜がけっして訪れることのない黄昏」の可能性
“失われた20年”と“15年デフレ”という迷妄を「実証」で吹き飛ばす。
経済学と小説の“新結合”による渾身の日本経済論です。
好き嫌いのはっきりする書だと思います。
<印象に残った一文>
「人生はリーグ戦、不戦勝ってないんですね。」
現状の世界の政治経済の実情および展望
長谷川慶太郎の大局を読む 2016−17/長谷川慶太郎【2500円以上送料無料】 |
米国利上げで浮かぶ国、沈む国。
IS不況のヨーロッパ。
好調な米国、堅調な日本が世界を牽引する…。
現状の世界の政治経済の実情および展望を詳述する書です。
今後の潮流を読む上で参考になる書です。
<印象に残った一文>
「中国経済について言えば、極めて悪くなっているのは確かだ」
日本の未来を読み解く正しい視点
戦後経済史は嘘ばかり [ 高橋洋一(経済学) ] |
目次は次のとおりです。
プロローグ 経済の歩みを正しく知らねば、未来は見通せない
第1章 「奇跡の成長」の出発点に見るウソの数々
第2章 高度経済成長はなぜ実現したのか?
第3章 奇跡の終焉と「狂乱物価」の正体
第4章 プラザ合意は、日本を貶める罠だったのか?
第5章 「バブル経済」を引き起こした主犯は誰だ?
第6章 不純な「日銀法改正」と、痛恨の「失われた二十年」
終章 TPPも雇用法制も、世間でいわれていることはウソだらけ
世界から「奇跡」と称された高度経済成長を成し遂げ、
やがてバブルの崩壊から「失われた二十年」といわれるほどのデフレ不況に落ち込んだ日本。
なぜわれわれは、かくも成功し、そしてかくも失敗したのか?
この日本経済の歩みの要因分析について、いま、あまりに広く「間違いだらけの常識、思い出み」が流布しています。
それらの誤謬を、わかりやすい論証で一刀両断します。
「真相」がシンプルかつ明快に解き明かされていきます。
まさに、驚きと知的刺激の連続!
未来を正しく見通すためにも、ぜひ読んでおきたい、新しい「戦後経済史」です。
著者らしい切り口の本です。
<印象に残った一文>
「終身雇用は「慣行」であって「制度」ではない。」
あなたの金融口座を国家が奪うとき
預金封鎖 [ 石角完爾 ] |
目次は次のとおりです。
第1部 浮かれた人々
(国が国民の命と財産を奪うとき/日本で起こる前代未聞の5つの出来事/国債のデフォルト(債務不履行)は、どの国でも起こりうる)
第2部 宙吊り状態
(刷られすぎたドル/インフレバスターとしての「金」)
第3部 苦しみの後
(クラッシュはいつ、どのように訪れるのか/ファイナル・クラッシュ/各国の預金封鎖)
日本人が知っておくべき、最悪のシナリオ!
預金封鎖の歴史から私たちは何を学ぶべきか?
今後の潮流を読む上で参考になる書です。
<印象に残った一文>
「たくさんあるものは値を下げる。たくさんありすぎるものは暴落する。」
<印象に残った一文>
「紙幣増刷、国債大量発行ノツケは必ず国民が支払うことになるというのが今までの歴史的事実なのである。」
現代人に覚醒を促す挑発の社会時評
この世はウソでできている [ 池田清彦 ] |
目次は次のとおりです。
第1章 民主主義のウソ
(「民主主義は人の自由を尊重する制度である」のウソ/「ダメ。ゼッタイ。」?大麻取り締まりのウソ ほか)
第2章 ウソの道具としての科学
(「人の役に立つことで金儲け」から「人を脅かして金儲け」へ/インチキな科学的言説で人をだました典型例「ダイオキシン法」 ほか)
第3章 世界を動かすウソのからくり
(ウソがホントを支配している貨幣経済/グローバル・キャピタリズムの源泉 ほか)
第4章 現代人はどんな「ウソ」にだまされるのか
(他人をコントロールしたいという欲望の始まり/自己家畜化が進む現代人 ほか)
ウソは巨大で組織的なほど見破ることが難しい。
地球温暖化からがん検診、果てはレバ刺し禁止まで。
「民主主義」というお題目の下、過剰な法規制を敷くことで利益誘導を狙う国家のやり口や、
怪しい「科学」を世界の常識にすりかえ、金儲けを企む巨大利権の巧妙な手段を、
人気生物学者が次々喝破します。
世間の通説に踊らされ、自己家畜化の道を進む現代人に覚醒を促す挑発の社会時評書です。
面白い切り口の本です。
<印象に残った一文>
「制度を運用するためには、物的資源と人的資源が必要である。」
モタさんの言葉
老いへの「ケジメ」 [ 斎藤茂太 ] |
目次は次のとおりです。
プロローグ 人生に小さな「ケジメ」をつけてゆく
第1章 なぜ、「身辺整理」が必要か
第2章 こころの「ケジメ」はこうつける
第3章 「そのとき」を受け入れるために
第4章 晩年の生き方
エピローグ あの世にいくときもユーモアを
日常を構成するひとつひとつに、自分なりの「ケジメ」をつけてゆく。
身辺のあれこれを、少しずつ整理してゆく。
それらが老いへの「小さなケジメ」である。
“ハッピーエンド”を迎えるためのモノとこころの整理術を教えてくれる書です。
<印象に残った一文>
「死が怖いのは、まだ人生の経験が少ない人つまりより若い人だろう。」
黒田日銀異次元緩和の光と影
デフレ最終戦争 [ 清水功哉 ] |
目次は次のとおりです。
第1章 「革命的金融政策」のスタート
第2章 「革命」を支える金融政策の職人
第3章 「3つの誤算」とサプライズ追加緩和
第4章 「2年で2%」の真意
第5章 安倍政権との微妙な距離
第6章 「バブル」を恐れぬスタンス
第7章 市場との対話 新たな挑戦
第8章 再度の追加緩和への備え
第9章 OBたちの批判と不安/第10章 「出口」という難作業
原油安により追加緩和に踏み切らざるをえなかった黒田日銀。
「2年で2%」にこだわった理由から、官邸との微妙な関係、「出口」に残された難作業まで、
黒田日銀の成果と課題を徹底的に解明する書です。
日銀の動きがよく理解できます。
<印象に残った一文>
「日本経済の潜在成長率の低さ」
2016年を読み解く5つのポイント
これからヤバイ世界経済 [ 渡邉哲也 ] |
目次は次のとおりです。
第1のポイント ゼロ成長に向かう中国
(グローバリズムと中国の共通点/バブル崩壊以後の中国経済 ほか)
第2のポイント 第量難民で溶融化するユーロ圏
(欧州移民問題で問われるドイツ人気質/ナチスのために移民を引き受ける? ほか)
第3のポイント 大構造改革でさらにデフレ化する日本
(亡国への道を突っ走る日本/消費税増税ありき ほか)
第4のポイント 前例踏襲で破滅の道を進む日本
(官僚は責任を取らない/メディアは印象操作する ほか)
第5のポイント 利上げに走るアメリカと途上国化する先進国
(FRBの利上げと中国の外貨準備は関係している/そもそも先進国の定義とは何か? ほか)
金融緩和の魔力から抜け出せない世界。
3つのバブルが崩壊した中国。大難民が押し寄せるユーロ圏。
周回遅れで、グローバリズムに門戸を開く日本。2016年は、大変動の年となる!
今後の潮流を読む上で参考になる書です。
<印象に残った一文>
「グローバリズムの敗北」
15歳で集団レイプされた少女が風俗嬢になり、さらに看護婦になった理由
私は絶対許さない [ 雪村葉子 ] |
目次は次のとおりです。
私が死んだ日
誰も守ってなんかくれない
勃たないヤクザに買われた日
セックスと摂食障害とエヴァンゲリオン
愛人を捨て、家を捨てて、東京へ行く
おっぱいキャバクラ、新宿
オーガズムって何ですか?
大丈夫だ。僕の手は君を優しく撫でるためにある
死んだ少女からの冷酷な眼差し
結婚五年目で現れた夫の本性と、私の中の悪魔
風俗以外に私が生きる道
車椅子の同僚に襲われた日
昼、看護学生。夜、デリヘル嬢
人間は皆、唯一無二の奇形である
5歳にして性犯罪被害者となった著者が、
これまでの歩みと、性犯罪被害を赤裸々に綴る書です。
15歳の娘を持つ親としてはあまりにもショッキングな内容です。
改めて、普段からどんなことがあっても、なんでも話し合える関係を持っておきたいと強く感じます。
<ひとは昔、唯一無二の奇形なんだよ。>
Gゼロ時代のアメリカの選択
スーパーパワー [ イアン・ブレマー ] |
目次は次のとおりです。
第1章 今日の世界、明日の世界/第2章 矛盾する冷戦後の外交政策/第3章 「独立するアメリカ」/第4章 「マネーボール・アメリカ」/第5章 「必要不可欠なアメリカ」/第6章 岐路に立つアメリカ/終章
世界と日本が直面する地政学リスク。
Gゼロ時代に突入し、アメリカが世界を主導する力は以前ほど絶大ではなくなった。
だが、しばらくはアメリカが唯一の「スーパーパワー(超大国)」であることに変わりはない。
アメリカは今後、世界を舞台にどういった役割を演じるのか?
他国の問題解決から手を引いてしまうのか?
「Gゼロ」という言葉を世に送り出した気鋭の政治学者が、
世界のあらゆる地域に影響を及ぼすアメリカの外交戦略を3つの選択肢で示す書です。
インド人の「力」の秘密
インド人の「力」 [ 山下博司 ] |
目次は次のとおりです。
第1章 インド式教育とインド人の数学力
(ラフマーン一家の決断/飛び級と落下傘入学 ほか)
第2章 インド人の言語力と英語能力ーインド英語で世界へ
(イギリスを上回る英語人口/英語習得による効用と社会的ディバイド ほか)
第3章 自己を貫き通す力ーインド人の発信力と交渉力
(インド国民は言論の自由を一二〇パーセント行使する/インド国民は表現の自由も一二〇パーセント行使する ほか)
第4章 多様性大国の光と影ー「個の力」がせめぎ合う国の人間模様
(何から何まで揃った国ー「オールインワン国家」インド/サンダルから原爆まで自力で作る国 ほか)
第5章 混沌を力にーグローバル企業とインド人経営者たち
(バングラデシュ出身のエンジニアたちー言語運用力と人心掌握術の片鱗/グーグルの「侍」、ニケーシュ・アローラのソフトバンク入り ほか)
インド人エリートとは、タフな社会でもまれてきた人びとです。
さらに一段高い目標にまでみんなを引っ張って行くためには、自己主張だけでは不十分で、
折り合いを付けることが最も大切です、そんな高い境地が自然と身についているのです。
多様な価値観の混在する現代社会でいま必要とされているのは、「対話・融和」的な態度でしょう。
これは日本人にもなじみ深い態度ですが、
加えてインド人には英語力という「力」があります。
グローバルな発進力という点では、
やはりインド人に軍配が上がるのではないでしょうか。
グローバル時代の最初の勝ち組と呼ばれるインド人の「力」の秘密を探ります。
面白い切り口の本です。
<印象に残った一文>
「意外かもしれないが、インド人は冗談好きである。」
「大きい」から「小さい」へ
最小限主義。 [ 沼畑直樹 ] |
目次は次のとおりです。
第1章 あらゆるものを、「ミニマリズム」で考えてみる。
(部屋を片付け、モノを捨てて、ミニマリズムはやってくる。/作法は「ミニマリズム」から生まれる。“音”のミニマリズム/キッチンが常にきれい。“仕舞い”のミニマリズム ほか)
第2章 幸福論をミニマル化すると、最後に「空」だけが残った。
(原始のころから、人は夕陽を眺めている。/誇れるのも、羨むのも、人が見た美しい風景の数だけ。/いつのまに暗くなったのか、気づかない生活。 ほか)/最終章 私たちに流れるミニマリストのDNA(モノも仕事も人間関係も、最小限でいい。/日本人の伝統的ミニマリズムとは。/ミニマリズムに向かう未来。 ほか)
モノも、仕事も、人間関係も最小限でいい!
部屋を片付け、モノを捨て、減らす。
キレイになった部屋で考える。
さて、次は何を減らそう?
最小限主義=ミニマリズムで「ぜんぶ」減らしていくと、
日々は静かで美しく、より日本人的に変わっていった…。
日本人が幸せになれる、ミニマリズム幸福論を語ります。
色々な気づきを与えてくれる本です。
<印象に残った一文>
「自然と向き合い、対話していくことが、人間関係と人間社会のミニマリズムになる。」