社会・政治: 2016年5月アーカイブ
巨大メディア企業の栄枯盛衰
フジテレビはなぜ凋落したのか [ 吉野嘉高 ] |
目次は次のとおりです。
第1章 「社風」と命運を分けた「社内改革」
第2章 第2章 「フジテレビ村」の誕生と黄金期
第3章 衰退の兆しとライバルの猛追
第4章 お台場の甘い罠と王座奪還
第5章 時代を逆走して転落
第6章 フジテレビは“復活”できるのか?
視聴率の暴落、初の営業赤字、世論の反発…かつての“王者”に一体何が起きたのか?
1980年代に黄金期をもたらした組織改革は、お台場への社屋移転等によって効力を失い、番組から斬新さは失われた。
さらに日本テレビの猛追、「韓流びいき」批判も加わり、
フジテレビは王座から滑り落ちた。
情報番組のプロデューサー等を務めた元社員が、自らの経験や関係者への取材をもとに、
巨大メディア企業の栄枯盛衰を描く書です。
会社変革の難しさを感じます。
<印象に残った一文>
「企業の寿命をのばすためには、商品構成を変えるだけでは不十分で、既存の商品が伸びてきた過程で出来上がった社風を一新することが不可欠なのである。」
「喜びの酒」「悲しみの酒」「怒りの酒」
田中角栄の酒 [ 大下英治 ] |
目次は次のとおりです。
第1章 田中角栄議員誕生す
第2章 我が息子「京」への思慕
第3章 「日本列島改造論」裏ばなし
第4章 総理まで上り詰めた田中角栄
第5章 「喜びの酒」「悲しみの酒」「怒りの酒」
「今太閤」「闇将軍」として政界を動かし続けた田中角栄の酒と人情の人生ドラマを描きます。
いろいろな批判はありましたが、
まさに真の政治家であったと思います。
個人的には、学ぶところの多い人物だと思います。
<印象に残った一文>
「人生は小手先だけではなく、本腰で勝負するのだ。」
守り抜け個人資産!
世界連鎖暴落はなぜ再発したか [ 副島隆彦 ] |
目次は次のとおりです。
1章 「世界連鎖暴落」はまだまだ続く
(金融危機の先に戦争が待っている/“ボラティリティ相場”とは何か ほか)
2章 守り抜け個人資産!最新・金融予測
(これからの株の動きー急落と吊り上げを繰り返す/円・ドル相場はどうなるかー1ドル=120円が基本線 ほか)
3章 “年金バクチ”に失敗したGPIFの秘密
(バクチに向かない役人が株に手を出して失敗を重ねる/世界は「中国発の恐慌」に青ざめた ほか)/副島隆彦の特別インタビュー 現役ファンド・マネージャー2人が語る「リーマン・ショック直前と似てきた」
4章 そして世界は新たなる恐慌前夜を迎える
(5頭目のクジラ、日銀が株と国債を買い支える/空売りをする個人投資家たち ほか)
5章 統制経済の時代と貧困に沈む日本
(アメリカの累積債務問題で、ベイナー下院議長は泣いた/もう「QE4」は許されない ほか)
底なし沼に沈みゆく日本!株価は1万4000円へ。
年明けから見舞われた株・為替・債券(国債)の大変動はまだまだ続く。
副島隆彦氏の最新・金融予言書です。
ベストセラー『再発する世界連鎖暴落』を最新情報でアップデートしてあります。
今後の潮流を読む上で参考になる書です。
<印象に残った一文>
「もうはまだなり、まだはもうなり」
深層心理に潜む闇にせまる!
中高年がキレる理由 [ 榎本博明 ] |
目次は次のとおりです。
第1章 キレやすい中高年
第2章 つまずきやすい人生の折り返し点
第3章 「こんなはずじゃなかった」という思いの数々
第4章 衝動と不安のもつ意味
第5章 家庭でも報われていない
第6章 キレない心のつくり方
心の均衡が何かのはずみに崩れて感情が爆発し、
駅員に激しく詰め寄ったり、病院の窓口で激高したりしてしまう。
近年、公共の場で突然キレる中高年が増えている。
しかも、一見普通で良識がありそうな男性が特に目立つのだという。
人生の折り返し点、劇的な社会の変化、家族をめぐる葛藤。
中年期特有の不安や迷いからくる衝動に翻弄されないために、
その社会的背景を探り、深層心理に潜む闇にせまります。
恥ずかしながら私にもよく当てはまります。
気をつけます!^^;
<印象に残った一文>
「キレる中高年が増えている要因のひとつとして、感情労働社会ということがあるのではないか。」
方法と戦略
「新しい戦争」とは何か [ 川上高司 ] |
目次は次のとおりです。
第1部 新しい時代の戦争方法
(「混迷するアメリカ」と世界ー新たな戦いの始まり/新時代の核戦略ー「一般抑止」と「核のノーム」/軍隊の新しい主任務ーHA/DRと平和活動/LAWS(致死性自律兵器システム)の戦争/新時代の政軍関係/軍事力と経済力ー経済力万能神話の消滅と代替可能性の終焉)
第2部 各国の「新しい戦争」観と戦略
(アメリカ流の戦争方法ー「2つの戦争」後の新たな戦争方法の模索/日本流の戦争方法ーソフト・パワーと日本の国家戦略/ロシア流の戦争方法ー「ハイブリッド戦争」/中国流の戦争方法ー習近平政権下の軍事戦略/北朝鮮流の戦争方法ー軍事思想と軍事力、テロ方針/トルコ流の戦争方法ー地域安定の主要なアクター/湾岸諸国による新たな積極行動主義ー体制転換の脅威と対テロ政策の拡大/中東・北アフリカ地域の戦争方法ー武装勢力の動向から/インド・パキスタンの戦争方法ー「核の下での通常戦争」をめぐる動き/ベトナム・フィリピンの戦争方法ー大国の狭間に置かれた中小国の戦略/チェコスロヴァキア流の戦争方法ー1938年の失敗と日本外交への教訓)
新しい戦争、新しい技術は何をもたらすのか??
各国別、安全保障のイシューごとに「新しい時代の戦争方法」をマクロ的・ミクロ的に論じる書です。
硬い内容ではありますが、面白い切り口の本です。
<印象に残った一文>
「無極化の時代」
自動車業界に押し寄せるモビリティ革命
IoTで激変するクルマの未来 [ 桃田健史 ] |
目次は次のとおりです。
序章 迫り来るアップル、グーグルの脅威
第1章 新興国市場で加速するパラダイムシフトの潮流
第2章 コネクテッドカー時代の“標準化”戦争
第3章 モビリティ革命ーライドシェアが公共交通を変える
第4章 世界各国で激化する自動運転の開発競争
第5章 日米独中のエコカー戦略最前線
第6章 高齢大国ニッポンのスローモビリティ
終章 IoT時代のクルマの未来
コネクテッドカー、自動運転、車載OS、ライドシェア、地図データ…
標準化覇権争いに乗り遅れる日本メーカーはグーグル、アップルの下請けになる!?
今後の潮流を読む上で参考になる書です。
<印象に残った一文>
「環境に最も優しい車とのつきあい方とは、車に乗らないことである。」
カトリック信者の私が、なぜ、靖国神社を参拝するのか?
日本人が気付かない世界一素晴らしい国・日本 [ ケヴィン・マイケル・ドーク ] |
目次は次のとおりです。
第1章 十七歳の日本体験記
第2章 日本のナショナリズム
第3章 「天皇」「靖國神社」「奇跡の経済成長」
第4章 アメリカを蝕む病
第5章 日本の長所と弱点
エピローグ 家族が見た日本
世界が「思いやり」と「おもてなし」の日本文化に気付き始めた!
カトリック信者の私が、なぜ、靖国神社を参拝するのか?
意外に気づいていない自国の良さを感じる本です。
<印象に残った一文>
「天皇とローマ教皇はよく似ている」
スペイン発「もうひとつの生き方」への挑戦
ルポ雇用なしで生きる [ 工藤律子 ] |
目次は次のとおりです。
1 変革を求めて(スペインで起きた市民運動15M/フリオ・ヒスベールの『雇用なしで生きる』)
2 挑戦者たち(「時間銀行」とは?/時間銀行の多様な生かし方/健康と環境を守るフードバンク/進化する地域通貨たち)
3 社会的連帯経済を築く(社会的連帯経済の担い手たち/「カタルーニャ総合協同組合」の革命)
4 もうひとつの経済、政治、社会の息吹(見直される共同体主義/市民による政治を目指す)
2008年の金融危機以降、深刻な不況と高い失業率に苦しむスペインで、
政治改革とともに、いわゆる「雇用」なしでも豊かに暮らすための取り組みが盛んになっています。
ユニークな「時間銀行」や、進化した「地域通貨」など、
日本では知られていない貴重な試みを紹介してくれます。
既存の経済・社会システムに依存しない生き方が見えてくる本です。
今後の潮流を読む上で参考になる書です。
<印象に残った一文>
「1%の金持ちが99%の普通の人たちの運命を握っている。」
情報氾濫社会の正しい泳ぎ方
情報の強者 [ 伊藤洋一 ] |
目次は次のとおりです。
1 情報の拾い方
(「特ダネ」が流れるのは午前3時/朝は「薄目あけ」で頭の準備体操をしておく ほか)
2 情報の読み方
(新聞は遅い。が、侮れない/新聞はニュースの配置を読む ほか)
3 情報のつなげ方
(情報のループを作る/ループ作りを前提に情報を評価する ほか)
4 情報の出し方
(紙の資料はとっておかない/アウトプットが脳内を整理する ほか)
溢れるニュースに溺れてしまっては、「情報弱者」になってしまう。
情報を思い切って捨て、ループを作る思考を持つことが、「強者」となる条件なのです。
「夜のテレビニュースは見ない」
「大事件とは距離を置け」
「新聞は“浮気”して読め」
「ネット記事は『自己メール』で管理する」
「情報は放出してこそ価値を増す」…
多方面で発信を続ける著者が、
具体的なノウハウを公開しながら示す、情報氾濫社会の正しい泳ぎ方を指南してくれます。
<印象に残った一文>
「情報を排除することも大切だ。」
異業種のビジネスパーソンにも響く
戦場カメラマンの仕事術 [ 渡部陽一 ] |
目次は次のとおりです。
第1部 僕が見てきた世界
(取材は準備から始まる/戦場カメラマンになろうとは思わなかった/現場で学んだ取材の作法/戦場取材のリアル/戦場では活字が心の癒やしになる)
第2部 僕が出会った日本のジャーナリスト
(山本皓一(フォトジャーナリスト)/松浦一樹(読売新聞社)/渡辺照明(産経新聞社)/原田浩司(共同通信社))
イスラム過激派の勢力拡大で戦場取材は一層危険を増す中でも、現場へ入ることをやめない戦場カメラマン・渡部陽一氏。
さらに自らも父として家族を養う立場となり、かつてのような取材スタイルを維持することは難しくなった。
環境の変化や葛藤を抱えながら、それでも苦しむ人々の姿を世界に伝える責務を負い続ける彼は今、
どんな手順を踏んで仕事を遂行しているのか?
「撮ったものは必ず持ち帰って発表する」という任務を全うするため、
いかに万が一を回避する危機管理を行っているのか?
信頼の置けるガイドを探り当て、安全に目標に辿り着き、
スムーズに取材を行うための百戦錬磨のスキルと考え方を本書の第一部で紹介してくれます。
続く第二部は、彼が駆け出しのカメラマンの頃に出会い、
取材のやり方と心構えを手取り足取り教わった恩師である日本人ジャーナリストとの対談集。
異業種のビジネスパーソンにも響く、様々なキーワードが登場する書です。
テレビでしか知らなかった著者ですが。この本で人となりが少しわかった気がします。
自分自身の甘さを感じる本です。
<印象に残った一文>
「何気ない暮らしが当たり前でない現実」
暴発する中華帝国
中国4.0 [ エドワード・N.ルットワーク ] |
目次は次のとおりです。
序章 中国1・0-平和的台頭
第1章 中国2・0-対外強硬路線
第2章 中国3・0-選択的攻撃
第3章 なぜ国家は戦略を誤るのか?-G2論の破綻
第4章 独裁者、習近平の真実ーパラメータと変数
第5章 中国軍が尖閣に上陸したら?-封じ込め政策
第6章 ルトワック戦略論のキーワード
2000年以降、「平和的台頭」(中国1・0)路線を採ってきた中国は、
2009年頃、「対外強硬」(中国2・0)にシフトし、
2014年秋以降、「選択的攻撃」(中国3・0)に転換しました。
来たる「中国4・0」は?危険な隣国の真実を世界最強の戦略家が明らかにする書です。
一般報道では知ることのできない内容です。
中国の現状が見えてきます。
<印象に残った一文>
「コントロールも日毎失われている。」
「正直・親切・愉快」な日本を取り戻す
「意地悪」化する日本 [ 内田樹 ] |
目次は次のとおりです。
第1章 アベ政治とは何か(安倍総理はなぜ支持されるのか/平然と嘘をつく政治家 ほか)
第2章 「意地悪」への欲望(日本人は冷淡になった/政党の離合集散 ほか)
第3章 「ビッグ・ブラザー」はすべてが知りたい(国家が子どもの心に踏み込む/道徳の教科化が子どもに強いるもの ほか)
第4章 社会の地盤が動いている(若者の投票行動/市民革命の萌芽 ほか)
第5章 それでも希望はある(ファシズム言語との戦い/参議院選挙はどうなる? ほか)
「正直・親切・愉快」な日本を取り戻す。
面白い切り口の本です。
<印象に残った一文>
「ものの見方をもう少し大きく取ると、見える風景が変わることがある。」
襲いかかる負の連鎖
世界経済のトレンドが変わった! [ 朝倉慶 ] |
目次は次のとおりです。
1章 暴走するサウジアラビア
2章 中国の凋落ぶりがすさまじい!
3章 救いようがない新興国とロシア
4章 日本経済はどうなるのか
5章 波乱ずくめの欧米
特別付録 朝倉慶の「株はこれが買いだ!」
2016年は年初から世界中の株が下がり続けるなど、波乱の様相を呈しています。
サウジアラビアとイランの断交、原油をはじめとする商品価格の暴落、
失速しつつある中国経済の先行きもしっかり見据えておかなければなりません。
そして日本はついにマイナス金利を導入しましたが、株安・円高と想定外の動きとなっています。
一方で、絶対的に価値のある日本株は、売られすぎれば、再び大きく戻すのは必定です。
日本を取り巻く激動や変化に翻弄されてはなりません。
世界経済の動向をつかみ、この混乱を自らの利益に還元して行くための指南書です。
今後の潮流を読む上で抑えておきたい書です。
<印象に残った一文>
「このまま世界中の景気が落ち込んでいった場合、マイナス金利政策が世界的な流れとして定着していく可能性は否定できません。」
若者の海外経験の意味を問う
グローバル人材とは誰か [ 加藤恵津子 ] |
目次は次のとおりです。
第1部 若者は「内向き」か?-インターネット調査からみる若者の海外経験と人生(若者にとっての海外経験)
第2部 「外」に向かう人びとーフィールドワークからみる若者の海外経験と人生(「自分探し移民」オーストラリア、カナダー「あれもこれも」の魅惑と困惑/「自分探し移民」と「グローバル人材」-“自分”と“企業”をめぐるジェンダー・階層/「グローバル市民」のスゝメー帰国者も、移民も、移動者も)
留学をはじめ海外で生活する若者は多いのにもかかわらず、
「若者は内向きだ」という前提で行政や企業が強く求める「グローバル人材」とはいったい誰なのか?
インターネット調査とフィールドワークを組み合わせて、
「普通の若者」にとっての海外経験の意味をすくい取り、
「グローバル人材」という特権的な人材層の育成だけに目を向けるのではなく、
若者のキャリア形成の多様性を確保する必要性を指摘する書です。
グローバル人材について改めて考えさせられます。
<印象に残った一文>
「一つの国の中に色々な世界を経験した人がいれば、それだけ国が一方的に偏ってしまう危険を減らせるんだよ。」
プーチン大統領が展開する政策の本質
プーチンとG8の終焉 [ 佐藤親賢 ] |
目次は次のとおりです。
序章 「戦後七〇年」の国際社会
(秩序の構造的変化/ウクライナ危機の意味 ほか)
第1章 ウクライナの政変とクリミア編入
(ヤヌコビッチ政権崩壊/クリミアの「再統合」 ほか)
第2章 戦略なき独立ーウクライナ略史
(近代まで/ソ連時代ーチェルノブイリの衝撃 ほか)
第3章 漂流する世界
(戦後秩序の「制度疲労」/プーチンの世界観 ほか)
第4章 ロシアの将来ープーチンなくしてロシアなし
(右傾化するロシア/反動 ほか)
クリミア編入後に、約二〇年関与してきた「G8」の枠組みと決別したロシア。
経済的苦境に直面し、ナショナリズムと軍事力に訴える大国の動向は、
混迷する中東情勢にも関わり、国際秩序の動揺を加速しかねない。
著者自身の長期取材をもとに、ウクライナ危機の推移を追うことで、
プーチン大統領が展開する政策の本質に迫る書です。
プーチン大統領の素顔が垣間見えてきます。
<印象に残った一文>
「プーチンには「ロシアはソ連崩壊によって、バラバラにされた分断国家」という認識があり、その統合の回復が自分に与えられた歴史的使命だという認識がある」