文学・評論: 2007年10月アーカイブ

国語辞書の中に眠る驚くべき事実

国語辞書誰も知らない出生の秘密(石山茂利夫著)
<草思社>定価1,600円+税

目次は次の通りです。

・切り張り人生語り尽くし―花形辞書『広辞林』の戦後
・裏『「広辞苑」物語』

・9000語の大リストラを行なった辞書
・辞書の語数が語るトンデモ異聞
・国語改革熱が刻印された辞書たち

出版社に書き替えられた原稿、異常な語数削減
辞書制作者の証言を手がかりに、
国語辞書の中に眠る驚くべき事実を明らかにします。

辞書をめぐる常識がくつがえる一冊です。


私のサイトです。
よろしければご覧下さい。


マックス・ベルジュイスの生涯と仕事

かえるでよかった(ヨーケ・リンデルス著)
<セーラー出版>定価4,800円+税

目次は次の通りです。

第1章 平凡なハーグの男の子
第2章 転々と職を変えて
第3章 どこでどうしたらいいのだろう

第4章 世界はなんてすばらしい
第5章 小屋の中で幸せに
第6章 出版界の開拓者たち

第7章 なくしたパスポート見つかった行く先
第8章 女の人が好き
第9章 はじまりはかえるくんで、かえるくんはみどり色だった

第10章 作家画家
第11章 チェスは戦争音楽はなぐさめ
第12章 かえるくんはどうやって、さらに高くのぼっていったか

世界中で読まれている絵本「かえるくん」シリーズを生んだ
国際アンデルセン賞画家賞受賞作家マックス・ベルジュイス
の生涯と創作活動の全貌を、
母国オランダの現代史、ボローニャ児童図書展や
ヨーロッパの出版事情などの背景を織り交ぜて描いた書です。


恥ずかしながら「かえるくん」シリーズを読んだことはありませんでしたが、
思わず子供に読ませてみたくなりました。

私のサイトです。
よろしければご覧下さい。


監視社会と「個人」の消滅

自由とは何か(大屋雄裕著)
<ちくま新書>定価700円+税

目次は次の通りです。

第1章 規則と自由
・「個人」の自己決定と法・政治
・自由への障害
・二つの自由―バーリンの自由論
・交錯する自由

第2章 監視と自由
・見ることの権力
・強化される監視
・ヨハネスブルク・自衛・監視
・監視と統計と先取り
・監視・配慮・権力
・「配慮」の意味
・衝突する人権?
・事前の規制・事後の規制
・規制手段とその特質

第1章 責任と自由
・刑法における責任と自由
・自己決定のメカニズム
・責任のための闘争―刑法四〇条削除問題
・主体と責任

かつてより快適な暮らしが実現した現代社会。
各人の振る舞いは膨大なデータとして蓄積され、
“好み”の商品情報が自動的に示されます。

さらにはさまざまな危険を防ぐため、
あらかじめ安全に配慮した設計がなされます。

こうして快適で安全な監視社会化が進みます。

これは私たち自身が望んだことでもありますが、
ある枠内でしか“自由”に振る舞えず、
しかも、そのように制約されていることを知らずにいて、
本当に「自由」と言えるのでしょうか。

「自由」という、古典的かつ重要な思想的問題に
新たな視角から鋭く切り込んだ書です。

誰もが知っている物語のその後

王様は裸だと言った子供はその後どうなったか(森達也著)
<集英社新書>定価700円+税

目次は次の通りです。

・王様は裸だと言った子供はその後どうなったか(仮)
・桃太郎
・仮面ライダー ピラザウルスの復讐

・赤ずきんちゃん
・ミダス王
・瓜子姫

・コウモリ
・美女と野獣
・蜘蛛の糸

・みにくいあひるのこ
・ふるやのもり
・幸福の王子

・ねこのすず
・ドン・キホーテ
・泣いた赤鬼

話題の映画監督・ドキュメンタリー作家の森達也が、
誰もが知っている古今東西の十五の物語を、痛快にパロディー化します。

「桃太郎」を始めとする日本の民話、
ギリシャ神話、イソップ、グリム、アンデルセン、
さらにはセルバンテス、オスカー・ワイルド、芥川龍之介、
浜田廣介といった作家たちの名作に触発された著者の筆は、

急速にムラ化しつつある現代社会に、
男と女の深遠に、ふてぶてしく、無遠慮に切り込み、
その特質と異常性そして切なさを浮き彫りにしていきます。

毒気たっぷりの風刺精神とユーモアセンスにあふれる、
独創的な現代日本論です。

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