文学・評論: 2009年3月アーカイブ
苦難と愛情の厳粛な記録
流れる星は生きている(藤原てい著)
<中公文庫>定価686円+税
目次は次の通りです。
第1部 涙の丘
(駅までの四キロ/別離/無蓋貨車 ほか)
第2部 教会のある町
(丘の下へ/墓場から来た男/歯型のついたお芋 ほか)
第3部 魔王の声
(親書の秘密/赤土の泥の中をもがく/凍死の前 ほか)
昭和二十年八月九日、
ソ連参戦の夜、満州新京の観象台官舎。
夫と引き裂かれた妻と愛児三人の、
言語に絶する脱出行がここから始まった。
敗戦下の悲運に耐えて生き抜いた一人の女性の、
苦難と愛情の厳粛な記録です。
渾身の話題作
夜の桃(石田衣良著)
<新潮社>定価1,600円+税
数億円のローンを組んだ家、
高性能なドイツの車、
イタリア製のスーツ、
スイス製の機械式腕時計、
広告代理店勤務の可愛い愛人…
すべては玩具にすぎなかった。
幸福にも空虚な日々に流される男が出会った、少女のような女。
その隠された過去を知り、男は地獄のような恋に堕ちた。
東京のニュー・バブルの中で、
上下にちぎれていく格差社会に楔を打ち込む、性愛。
デビュー10周年の著者が挑む、渾身の話題作です。
心神喪失
虚夢(薬丸岳著)
<講談社>定価1,500円+税
目次は次の通りです。
第1章再会
第2章疑心
第3章憎悪
第4章監視
第5章了解不能
第6章遁走
終章
愛娘を奪い去った通り魔事件の犯人は
「心神喪失」で罪に問われなかった。
運命を大きく狂わされた夫婦はついに離婚するが、
事件から4年後、
元妻が街で偶然すれ違ったのは、
忘れもしない「あの男」だった。
クライマックスは予想外の展開ですが、
ぐっと引き込まれてしまう本です。
地域主権型道州制のすすめ
国民を元気にする国のかたち(江口克彦著)
<PHP>定価1,200円+税
目次は次の通りです。
はじめに 家はその土地の大工に建てさせよ
第1章 「地域主権型道州制」導入への道
第2章 東京神話の裏側
第3章 中央集権体制=官僚制が国を滅ぼす
第4章 手足を縛られた地方行政
第5章 いまこそ地域主権型道州制を断行すべきとき!
第6章 新しい国のかたち
第7章 多極化する繁栄の拠点
第8章 地域主権型道州制の実現に向けて
第9章 地域主権型道州制反対派への回答
第10章 地域主権型道州制導入への手順
今の中央集権体制が日本を破滅させます。
こうすれば地方は必ず繁栄するとの
松下幸之助氏に長年仕えた著者の主張は参考になります。
「考える」習慣がついてくる!
おとなの小論文教室。(山田ズー二―著)
<河出書房新社>定価1,300円+税
目次は次の通りです。
第1章 自分を表現してますか?
(自分を表現する/好きなものに忠実でいる勇気/考えるための小道具を手に入れる ほか)
第2章 自分の才能って?
(自分の才能はどこにある?/ひらけ!/表現力への自由 ほか)
第3章 一人称がいない
(一人称がいない/都市から人が消える―一人称がいない(2)/職場から主語が消える―一人称がいない(3) ほか)
ビリビリくるリアル感に引き込まれて読んでいくと、
あなたも何か表現したくなります!
「おとなの小論文教室。」は、
自分の頭で考え、
自分の想いを、
自分の言葉で表現したいという人に、
「考える」機会と勇気、
小さな技術を提供する、
まったく新しい読み物です。
今後どこに進んでいけばいいか
勝間和代の日本を変えよう(勝間和代著)
<毎日新聞社>定価1,500円+税
目次は次の通りです。
第1章 若い人が暗い国
第2章 西原理恵子さんと、最強ワーキングマザー対談
第3章 女性が産める、働ける国
第4章 雨宮処凛さんと、脱・ワーキングプア対談
第5章 NYで考えたポスト資本主義
勝間和代の日本を変えよう15の提言
自分たちの日常生活や行動、
思考様式をほんの少しずつ変えるだけで、
社会全体を変えることができるのです。
どのように日本の現状をとらえ、
今後どこに進んでいけばいいか、
そのヒントを提示してくれる書です。
西原理恵子氏・雨宮処凛氏との対談も収録してあります。
行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
予想どおりに不合理(ダン・アネリー著)
<早川書房>定価1,800円+税
目次は次の通りです。
相対性の真相
―なぜあらゆるものはそうであってはならないものまで相対的なのか
需要と供給の誤謬
―なぜ真珠の値段はそしてあらゆるものの値段は定まっていないのか
ゼロコストのコスト
―なぜ何も払わないのに払いすぎになるのか
社会規範のコスト
―なぜ楽しみでやっていたことが、報酬をもらったとたん楽しくなくなるのか
性的興奮の影響
―なぜ情熱はわたしたちが思っている以上に熱いのか
先延ばしの問題と自制心
―なぜ自分のしたいことを自分にさせることができないのか
高価な所有意識
―なぜ自分の持っているものを過大評価するのか
扉をあけておく
―なぜ選択の自由のせいで本来の目的からそれてしまうのか
予測の効果
―なぜ心は予測したとおりのものを手に入れるのか
価格の力
―なぜ一セントのアスピリンにできないことが五〇セントのアスピリンならできるのか〔ほか〕
行動経済学研究の第一人者が
わたしたちを動かすものの正体を
おもしろく解説する
全米ベストセラー行動経済学入門書です。
人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか
読書進化論(勝間和代著)
<小学館>定価740円+税
目次は次の通りです。
序章 成功や自由は、読書で手に入れる
第1章 人を進化させる読書がある
第2章 進化している「読む」技術
第3章 「書く」人も進化する
第4章 「売る」仕組みを進化させる
終章 これから「読みたい」「書きたい」「売りたい」と思っているみなさんへ
ウェブ時代の「人生を変える本の使い方」を、
自分自身の歩みと重ねながら、ていねいに紹介してくれます。
著者の視点から、「本」の新しい価値が次々と明らかになります。
未来を読みきる力
ドラッカーとの対話(小林薫著)
<徳間書店>定価1,700円+税
目次は次の通りです。
第1部 ドラッカーの魅力と先見力
第2部 ドラッカーに親しく聴く
第3部 21世紀を見透すドラッカーの眼
第4部 ドラッカーのキーワード20
第5部 ドラッカーの日本を見る眼・世界を見る眼
第6部 ドラッカー式英語の面白さ
第7部 ドラッカーの人間像
ピーター・F.ドラッカーとの40年にも及ぶ交流に基づき、
その思想のエッセンスを読みやすい形で凝縮した書です。
麒麟・田村の貧乏自叙伝
ホームレス中学生(田村裕著)
<ワニブックス>定価1,300円+税
目次は次の通りです。
衝撃の解散劇
公園生活がスタート
空腹の果てに…
ウンコのオバケと呼ばれて…
野良犬とガチンコ勝負
Tシャツとの悲しい別れ
掛けられなかった電話
人生を変える奇跡的な出会い
兄姉それぞれの苦労
あっけない再会〔ほか〕
ダンボールを食べ、ウンコの神様と呼ばれた…
麒麟・田村のせつな面白い公園生活!
麒麟・田村の貧乏自叙伝です。。
ベストセラーとなった本を遅ればせながら読ませてもらいました。
読んだ後、これは現実にあったことなのか?
と思わず思うほど、本当にすご内容です。
後半部分は思わず涙腺が緩んでしまいましたが
ベストセラーになったのもうなずける本です!
ドラッカーの箴言
日本は、よみがえる(竹村健一監修)
<祥伝社>定価1,800円+税
目次は次の通りです。
1 日本人よ、くよくよするな
―2020年まで続く「激変の時」。だが悲観することはない
2 日本企業の底力はここにある
―抜群の目的達成能力を支える「守、破、離」の伝統
3 儲かる仕事をつくるのは、あなた自身だ
―「イノベーション」と「マーケティング」を実践するために
4 生き残る企業の条件
―「知識」=「ノウハウやアイデア」を仕事にどう生かすか
5 サラリーマンに迫る「明日の現実」
―「企業の寿命」と「人生二毛作時代」の生き方
6 変身する日本、その未来地図
―「自ら起こした事業を上場して儲けること」が社会のステータスになる
今、日本経済は逆風の中にあるといわれています。
逆境にあるからこそ、ビジネスチャンスも生まれるのです。
前例のないことに挑戦できるからです。
今こそ、新しいことに挑戦する人を励まし、
支援しなければならないのです。
本書はピーター・ドラッカー氏の箴言を網羅し、
その中で繰り返し「起業家」や「新規事業」が
日本再生の鍵であると説かれています。
また、日本にはそれだけの実力があるとも指摘されているのです。
日本人の悲観論を払拭し、
挑戦への勇気と希望を与えてくれる書です。
新しい経済学で日常生活を読み解く
人は意外に合理的(ティム・ハーフォード著)
<ランダムハウス講談社>定価1,800円+税
目次は次の通りです。
第1章 日常生活に潜むロジック
第2章 ラスベガス―理性の淵
第3章 離婚は過小評価されているのか
第4章 どうして上司は給料をもらいすぎているのか
第5章 居住区にて―街角で刺されないための経済学
第6章 合理的な人種差別の危険性
第7章 ギザギザ化する世界
第8章 合理的な革命
第9章 100万年のロジック
この世はとかく不条理なもの、
人間はとかく不合理なものだとだれもが口をそろえて言います。
本当にそうでしょうか?
イギリス発・新進気鋭の人気ジャーナリストが経済学を使って
日常生活の裏側に隠された因果関係をあぶり出す書です。
愛の極みまで
生きて、生きて、生きて(記録者木村博美)
<海竜社>定価1,800円+税
目次は次の通りです。
「その人たち」のこと
アフリカ1
(祈りが反乱軍の銃口先を変えさせた―シエラレオネ共和国/神さまの仰せのままに、現地の人々と生死を共に―コンゴ民主共和国 ほか)
中南米
(美しい思いやりの心、数えきれない感動に出会う国―ボリビア共和国/生きるために身を売る少女を、神さまはきっとお赦しくださる―ペルー共和国 ほか)
アフリカ2
(知ること、働くことは不幸ですか―カメルーン共和国/出産も命がけ、生きるのも命がけ―カメルーン共和国 ほか)/アジア(教育が「悪の呪縛」から不可触民を解放した―インド/国も人も、貧しさから抜け出すには教育しかない―ネパール連邦民主共和国 ほか)
内戦、
貧困、
病苦。
想像を絶する原始に近い過酷な暮らし。
その中で、人々の生命と精神を救うために働く修道女と神父たち。
人生の冒険者たちの魂をふるわす実話です。
曽野綾子とその仲間の36年間にわたって彼らの活動を援助してきた軌跡をたどります。
驚愕ワールド
1秒の世界 2(山本良一責任編集)
<ダイヤモンド社>定価952円+税
目次は次の通りです。
音速を超える465mの速さで地球が自転し…
世界で最も巨大で速い魚の一種、タイセイヨウクロマグロが20m泳ぎ…
大動脈の中を血液が50cm流れています。
1万9,000杯のカップにコーヒーが注がれ…
13万円が日本の国防費として使われ…
888トンの二酸化炭素が排出されています。
かつてシルクロードのオアシスだったアラル海が畳22枚分、35m2ずつ縮小し…
北極圏で夏の海氷面積がテニスコート9面分、2,500m2ずつ小さくなり…
アマゾンから駐車スペース66台分、984m2の森が失われています。
黒潮によって海水が2m流れ…〔ほか〕
地球の大変化を1秒で見る驚愕ワールドです。
わずか1秒、
されど1秒
1秒ですごいことが起きることを実感できる本です!
サクッとエッセンスを読む
知らないと恥ずかしい「日本の名作」あらすじ200本(日本の名作委員会著)
<宝島社>定価562円+税
目次は次の通りです。
1 知っておきたい古典文学
(雨月物語(上田秋成)/伊勢物語(作者未詳) ほか
2 王道の日本文学
(青い山脈(石坂洋次郎)/あにいもうと(室生犀星) ほか)
3 少し前の話題の名作
(蒼ざめた馬を見よ(五木寛之)/暗室(吉行淳之介) ほか)
4 いま、旬の名作
(13階段(高野和明)
4TEEN
(石田衣良) ほか)
千年紀を迎えた『源氏物語』、
ベストセラーになった小林多喜二の『蟹工船』。
ドラマで話題になった『容疑者Xの献身』や
『チーム・バチスタの栄光』などなど、
タイトルは知っているけれど、読んだことがない、
という方のためのありがたい本です。
この本で、サクッとエッセンスを読むことができます!
東大の教室で『赤毛のアン』を読む(山本史郎著)
<東京大学出版会>定価2,400円+税
目次は次の通りです。
1 場面のポイントを読み取る
―駅長はなぜ孤児を隠していないのか?
2 伝統を読み解く
―主人公はなぜ「押し入り」なのか?
3 英語で遊ぶトールキン
―ユーモアはファンタジーを破壊するか?
4 『赤毛のアン』の謎
―村岡花子はなぜ「マリラの告白」を訳さなかったのか?
5 『アン・オヴ・グリーン・ゲイブルズ』の謎
―モンゴメリーはなぜ「マリラの告白」をカットしなかったのか?
6 語り手の謎
―語っているのはどんな人?
7 さまざまな視点
―笑うべきか泣くべきか、それが問題だ!
8 名作と映画
―映画はどこまで原作を裏切るか?
9 プロットを評価する
―『ジェイン・エア』はオカルト小説か?
みんなが好きなあの小説は、
技とシカケの宝箱です。
東大講義英文学の読み方入門です。
世界恐慌でこうなる!
第三次世界大戦 右巻(田原総一朗・佐藤優著)
<アスコム>定価1,700円+税
目次は次の通りです。
第6章 資本主義の行方 金融大崩壊がもたらすもの
(人間の欲望がもたらした暴走/オバマ政権でも戦争は止められない!/資本主義をどう見直すべきか)
第7章 小さな政府 新自由主義を超えて
(大きな政府から小さな政府への流れ/改革なしにはどこも生き残れなかった/セーフティネットを失った日本/強者が弱者を引っ張る社会をつくるには)
第8章 マルクスと『資本論』 今、なぜマルクスなのか
(私がマルクスに惹かれる理由/マルクスの“二つの魂”/帝国主義の時代の視点が必要だ)
第9章 格差から貧困へ 日本を襲う貧困の広がり
(体制維持を危うくする貧困の問題/エリートの価値観が社会の顔を決める/生産者の論理に立ち返れ!/商品経済という宗教が蔓延していた)
第10章 国家再生 日本にこそチェンジが必要だ
(追い詰められる日本/無責任なメディアは無用である/共同体を再生せよ!)
クライマックスの大戦争があるのかないのか、
それを論じても意味がりません。
必要なのは、第三次世界大戦はすでに始まっている
という前提で国際情勢を見るという思考実験です。
政治、経済、軍事、宗教を、「第三次世界大戦」という切り口から見れば、
その裏側や本質がハッキリ見えてきます。
第三次世界大戦をキーワードに
お金と欲望から日本の未来を解読する書です。
闇の勢力の姿を暴く
世界と日本の絶対支配者ルシフェリアン(ペンジャミン・フルフォード著)
<講談社>定価1,600円+税
目次は次の通りです。
第1章 9・11を起こした者たちの正体
(9・11、自作自演の決定的証拠/アメリカ軍に唯一「空白ができる日」 ほか)
第2章 戦争と革命を操る闇の勢力
(革命や戦争を支援する人々/堕天使の子孫の血を受け継ぐ者 ほか)
第3章 日本の歴史とルシフェリアン
(「黒船」のペリーはロスチャイルドの刺客?/明治維新の裏で蠢いたルシフェリアン ほか)
第4章 ルシフェリアンvs.中国秘密結社
(一〇〇年以上前に「予言」されていた第三次世界大戦/ソ連解体を決めた秘密会議の出席者 ほか)
第5章 アメリカを見捨てたルシフェリアン
(ヨーロッパ社会にある二つのピラミッド/ルシフェリアンのアメリカ離れ ほか)
一般には姿を現さない
金融危機を演出し人類制覇を狙う
闇の勢力の姿を暴く本です!
ロマンあふれる数学の花旅
数学の花束(中村滋著)
<岩波書店>定価2,300円+税
目次は次の通りです。
1 『博士の愛した数式』をめぐる花旅
2 素数の大山脈のお花畑をめぐって
3 人類が最も愛した数、円周率π
4 狭すぎた余白の波紋
5 ピュタゴラスの定理4000年の輝き
6 一筆書きの楽しさ
7 私達の世界にこんな簡明な法則が!
8 地図は4色で塗り分け可能か?
9 フィボナッチ数の楽しみ
10 花の正体:数学とは?
2000年前の定理に、
数学者の思いもよらない新証明を考えついた数学愛好家、
新しい素数を次々と発見する高校生。
数学の美しさは、
専門家だけが登れる険しい山道の先にあるだけではないのです。
野に咲く花を見つける楽しみは誰でも味わえます。
「最高権威」ノーベル財団の戦略
日本にノーベル賞が来る理由(伊東乾著)
<朝日新書>定価700円+税
目次は次の通りです。
1 幻の物理学賞と坂田昌一、戸塚洋二
2 ノーベル賞を勘違いした日本人
3 究極のパワーバランス
4 「対称性」でノーベル賞を見る
5 知の好循環は回っているか?
6 問われる「ノーベル賞受賞後」の活動
7 「壁」を超えて…世界が日本に期待するもの
日本にノーベル賞ラッシュがやって来た!
快挙の背景には国際社会の明確な意思があるのです。
「対称性の破れ」とその「回復」をキーワードに、
湯川秀樹以来の16人の受賞者を検証します。
原爆、核開発からポスト冷戦後まで、
パワーポリティクスを鮮やかに読み解き、
日本の進むべき道を指し示します。
世界の研究と開発を左右する、
「最高権威」ノーベル財団の戦略とは!