文学・評論: 2010年2月アーカイブ

第12回電撃小説大賞“銀賞”受賞作

狼と香辛料(支倉凍砂著)
<電撃文庫>定価590円+税

行商人ロレンスは、
麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。

少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、
自らを豊作を司る神ホロと名乗った。

「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃあホロ以外の何者でもない」
老獪な話術を巧みに操るホロに翻弄されるロレンス。

しかし彼女が本当に豊穣の狼神なのか半信半疑ながらも、
ホロと共に旅をすることを了承した。

そんな二人旅に思いがけない儲け話が舞い込んでくる。

近い将来、ある銀貨が値上がりするという噂。

疑いながらもロレンスはその儲け話に乗るのだが。

アニメチックな表紙にちょっと引き気味になりましたが
信頼する書評ブログを信頼して読み始めて本当によかった!


読んでいるうちにどんどん物語の世界に引き込まれていきます。
物語の中にこんなに引き込まれたのはハリーポッター以来です。


たんに物語が面白いだけでなく
為替や貨幣引き下げなど、
経済知識を勉強できるという優れモノです。


長いシリーズもののようですが、
この先も楽しみです!!

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全米批評家協会賞(自伝部門)受賞作。


愛するものたちへ、別れのとき(エドウイージ・ダンディカ著)
<作品社>定価2,400円+税

目次は次の通りです。

第1部 兄弟
(父の人生/瀕死/報告/離別/死すべき生命/グッ・バイ/生命を産む/帰郷・再会/二人の父/ジプシー)

第2部 悩みのときのために
(声/死の天使と父なる神/とんだ礼砲/辛い別れ/闇を打つ/地獄/打ち捨てられしもの/恥辱/在留外国人二七〇四一九九九号/明日/苦しみ/落ちる星の定め/来世で/別れる準備のとき)

アメリカの、
ハイチ系気鋭作家が語る、
母国の貧困と圧政に翻弄された少女時代。

愛する父と伯父の生と死。

そして、
新しい生命の誕生。

感動の家族愛の物語です。

結構厚い本ですが、
読んでいるとまさに熱くなります。

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たけしが考える「生きる基本」

下世話の作法(ビートたけし著)
<祥伝社>定価1,400円+税

目次は次の通りです。

1品
2夢
3粋
4作法
5芸

本当のかっこよさとは何か。

日本人が「品格」によりどころを求める今、
まるで品格と関係ないような下町・足立区生まれのビートたけしが、
いきなり「品」を語ります。

ペンキ屋のせがれとして貧しい家に育ち、
浅草では売れない漫才師として不遇をかこった男。

それがなぜか高額所得者に登りつめ、
世界の巨匠と呼ばれてしまうまでになりました。

成り上がり者で成金だ。
お前に品格を語る資格があるのか。

だが実は、
この男ほど
「品がいいこと」
「粋であること」

にこだわる人はいないのです。

いわく「貧乏と下品も、
突き詰めれば品格を持つ」。

ベストセラー『愛でもくらえ』から10年、
たけしが考える「生きる基本」です。

著者の素顔を感じさせる本です。

たけし好きの方にたまらないかもしれません

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