文学・評論: 2011年11月アーカイブ
百田尚樹ワールド
【送料無料】モンスター |
田舎町で瀟洒なレストランを経営し、
町中の男を虜にする絶世の美女・未帆。
彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。
周囲からバケモノ呼ばわりされ友達もできない悲惨な日々。
そして思い悩んだ末、
ある事件を起こしてしまう。
追われるように移り住んだ「美女の街」東京。
そこで整形手術に目覚めた未帆は、
手術を繰り返して完璧な美人に変身を遂げる。
そのとき、甦ってきたのは、
かつて自分を虐げた町に住むひとりの男に対する、
狂おしいまでの情念だったー。
人間心理を丁寧に描いた作品で
どんどん物語の中に引き込まれていきます。
ただ、最後には何だか物悲しくなってしまいました。
人間心理と社会構造を見事に描いた作品だと思います。
<印象にに残った一文>
「心の病を持っておられるは、どんな整形をしても永久に満足しないのです。」
ものづくり探訪
【送料無料】工場は生きている |
目次は次の通りです。
「鉄」
「発電」
「船」
「物流」
「機械」
「酒」
「紙と印刷」
「皮革」
「地場産業」
「乗り物」
「食品」
「ツーリズム」
の12のジャンル、
38の工場/工場地帯を
オールカラーのイラストとともに紹介してくれます。
その他、
コラム・インタビューや見学情報なども掲載してあります。
70の工場を紹介!
経済記者とイラストレーターが、
造船・鉄鋼から
灘の酒、そろばん、砕石場まで、
阪神大震災からの復興を果たした
兵庫のものづくりの現場を歩いて描いた書です。
人目を驚かせるダイナミックな光景や、
職人業を極める人間像に迫る書です。
ものづくりの好きな方にはたまらない書です。
<印象に残った一文>
「工場というのは、最高にポジティブな空間である。想像してみてほしい。製品が常に生まれ続けていて、毎日がお誕生日状態。下手すると毎分、毎秒という単位で「おめでた」なのだ。こんなに前向きな場所って、ほかにあるだろうか。」
精神バランス論
【送料無料】日本人の心はなぜ強かったのか |
目次は次のとおりです。
プロローグー日本人の「精神」のあり方を論じよう
第1章 なぜ日本人の心は肥大化したのか
第2章 失われた精神文化を取り戻す
第3章 現代人のための精神の鍛え方
第4章 「一〇秒間体操」で身体領域を拡大しよう
エピローグーそして「判断力」へ
個人の心を支えているのは、
自らの内面に養われた「精神」と、
「身体(習慣)」である。
かつての日本人は、
論語の素読や禅の修養、
あるいは時代が共有していた「向上心」などから
精神の柱をバランスよく培っており、
また手作業などの身体的習慣に勤しむ人も多かった。
では現代の、
こうした機会に乏しい日本人はどうすれば成熟できるのか。
身近な方法として、
文化的な趣味にハマること、
呼吸の工夫、
10秒間体操などを提案します。
20数年身体と精神について研究してきた
教育学者の意欲作です。
日本人の精神性について丁寧に書かれた良作だと思います。
<印象に残った一文>
「普段はなかなか意識されにくいが、肩甲骨が固まると肩や首の凝りにつながり、それによって気持ちまで塞がりがちになる。さらに言えば、人間のしなやかさは肩甲骨によって作られる。その周辺が柔らかければ肩や首が凝りにくくなるのみならず、呼吸まで楽になるのである。」
ダマされないための事件ニュース読解術
【送料無料】権力にダマされないための事件ニュースの見方 |
目次は次のとおりです。
第1章 報道は権力で決まるのか
第2章 警察とマスコミの奇妙な関係
第3章 市民が人を裁くということ
第4章 死刑についての逡巡
第5章 身勝手な警察と横暴な検察
第6章 権力報道の舞台裏
補章 日本という国が揺れた日
権力は、自らに都合の悪い情報を隠す。
マスコミは、権力が発表した情報をそのまま伝えるだけ。
私たちは、そういった権力とマスコミの実態に気づきはじめています。
警察・検察・裁判所、
そして東日本大震災と原発事故報道…
隠された事実を知り、
ダマされないための事件ニュース読解術です。
情報操作に踊らされないための処世術が身につく本です。
<印象に残った一文>
「メディアへのリテラシーが必要だ。受け手として「ニュースを読む力」のようなものといってもいい。発信する側の情報を鵜呑みにしない疑心を鍛え、知識で「武装」してニュースの背景を探り、なにかそこに抜け落ちていないかを想像する。メディを通じて「事件」に接するとき、少しでも疑いを持ち、思考をずらし、そこに伝えられていない「省略」されたものを考える。」
笑って泣ける、うそのような本当の物語
【送料無料】いっしょにいるだけで |
目次は次の通りです。
序章 家族の思い出の木
第1章 崖の上の子猫たち
第2章 猫にかかわる人々
第3章 さよならの秋
第4章 新しい家族
第5章 小窓の外
第6章 いっしょにいるだけで
50代、独身、母と二人暮らし。
仕事や将来への不安はあるものの、
穏やかな日々を過ごしていた。
お参りに行った神社で、
「しあわせをください」と、ふとつぶやいた翌日、
近所の野良猫が、
父の思い出の木の下で5匹の子猫を産んでいた。
「猫は嫌い、絶対に飼わない」と言っていた二人だったが…。
笑って泣ける、うそのような本当の物語です。
著者の心境の変化になんだか微笑んでしまう物語です。
月を知り、月のリズムで
【送料無料】月と暮らす。 |
目次は次の通りです。
月のある風景
月の満ち欠け
月の光/月のことば
月の文学
月の模様
月と暮らし
月世界旅行
月を見よう
いつでもどこでも、
目で眺めても双眼鏡で見ても
望遠鏡でのぞいても、
そして、
心で見ても、
楽しみのつきない天体、月。
月の満ち欠けや月に関することば、
文学、
暮らしなどについて綴った文章とともに、
月の美しい写真を収めた本です。
個人的にお気に入りの月を堪能できる本です。
我欲と天罰
【送料無料】新・堕落論 |
目次は次の通りです。
1章 平和の毒
(敗戦の光景/「堕落論」と戦後/「牙を抜かれた怪物」/忘れられた江戸の成熟/垂直な価値の基軸 ほか)
2章 仮想と虚妄
(首都の不安/「一番豊かで、一番あわれな子供たち」/正統な青春、透明な閉塞/ルネサンス以来の文学の主題とは/「太陽の季節」とその時代 ほか)
列島を揺るがせた未曾有の震災と、
終わりの見えない原発事故への不安。
今、この国が立ち直れるか否かは、
国民一人ひとりが、
人間としてまっとうな物の考え方を
取り戻せるかどうかにかかっているのです。
アメリカに追従し、
あてがい扶持の平和に甘えつづけた戦後六十五年余、
今こそ「平和の毒」と
「仮想と虚妄」から脱する時です。
深い人間洞察を湛えた痛烈なる「遺書」といえます。
石原節炸裂の書です!