文学・評論: 2016年2月アーカイブ
今を生きる男のバイブル的小説で
言い訳だらけの人生 [ 平安寿子 ] |
目次は次のとおりです。
男は現実が苦手だ
男は説明するのを好まない
男は主食は「憧れ」である
男はバカと呼ばれたい
男はモテれば幸せになる、とは限らない
男は「大人向き」にできてない
男は夢の中で目覚めるのだ
田中修司、四十九歳。楽なサラリーマン人生ではない。
団塊世代の歪な価値観に翻弄され、部下からは、ネットに「バブル入社組はゴミ」と書かれてしまう。
家庭ではプレ更年期の妻からプチ虐待を受ける日々。
そんなおり、中学時代の旧友・和彦から徳市じいさんの訃報が入る。
修司、和彦そして二歳下の達也にとって、裏山にあったじいさんの庭は、アニメや漫画を語り、泥だらけで遊ぶことができる夢の空間だった。
三人は、徳市じいさんの秘密の葬式を行うことにするが…。
鋭い人間観察から描かれる、今を生きる男のバイブル的小説です。
私自身読んでいる間、なんだか青春時代に戻ってしまいました。
<印象に残った一文>
「ホルモンが大暴れするときって、人の一番弱いところをわざわざ狙い撃ちするのよね、女は」