文学・評論: 2016年7月アーカイブ
人間の本質を鋭く浮かび上がらせた問題作
自我の構図 [ 三浦綾子 ] |
高校教師の南慎一郎は、妻子がありながら同僚である藤島の妻美枝子に心惹かれている。
美術教師の藤島から手ほどきを受け、美枝子をモデルに描いた絵が日展初出品で入選。
同時に美枝子を描いて出品した藤島は落選していた。
一年後、共に訪れた峡谷で藤島が謎の死を遂げる。
不慮の事故か、他殺か、自殺か。嫌疑をかけられる慎一郎。
やがて、美枝子や慎一郎の妻由紀らの人生が絡み合い、思わぬ方向へと動き出していく。
果して人は人を真に愛することができるのか?
嫉妬、疑念、欲、エゴイズム。
人間の本質を鋭く浮かび上がらせた問題作です。
人間の影の部分をみごとに描いた作品だと思います。
<印象に残った一文>
「結婚は約束だ。男と女が、一つの家庭を築いていこうという、一生をかけての約束のはずだ。」
裏江戸探索帖
決戦、友へ [ 鈴木英治 ] |
事件現場に駆けつけられず、徒目付の職を解かれた山内修馬。
それは般若党に狙われた修馬を守るために徒目付頭が仕組んだことだった。
修馬と朝比奈徳太郎、若き2人の正義漢が、江戸を騒がす般若党との最終決戦に挑む最終巻です。