文学・評論: 2016年9月アーカイブ
主婦の心の中
子育てはもう卒業します [ 垣谷美雨 ] |
就職、結婚、出産、子育て、嫁姑、実家との確執、職場復帰…
故郷を離れた18歳から40年、3人は悩みを語り合ってきた。
時には口に出せない痛みを抱えながら。
立場は違いますが、一人で娘を育てている私には、
主人公たちの気持ちよく理解できます。
<印象に残った一文>
「どう転んでも厳しい人生なら、好きな道を行ったほうがいいよ。」
絶賛を浴びた文芸誌デビュー作!
永遠とは違う一日 [ 押切もえ ] |
目次は次のとおりです。
ふきげんな女たちと桜色のバッグ
しなくなった指輪と七日間
抱擁とハンカチーフ
甘くないショコラと有給休暇
バラードと月色のネイル
失格した天使と神様のノート
ずっと続かなくていい、この一瞬がありさえすればー。
恋に仕事に、ふと立ち止まりそうになるあなたの背中をやわらかく押す連作短篇集です。
アイドル失格の高校生、スランプの続く画家、キラキラしたくない事務員、腐れ縁に悩むスタイリスト……。
トップモデル押切もえが圧倒的な筆力で描く、女性たちの希望と焦り、夢と曲がり角、そしてささやかだけれど確実な奇蹟。
著者の多彩な才能を感じる書です。
<印象に残った一文>
「大変なことも辛いこともいっぱい経験して、それがあなたの未来をつくるんだから、何も失敗だなんて思わないでいいよ」
世界幻想文学大賞受賞作
人生の真実 [ グレアム・ジョイス ] |
この子はあたしたちみんなで育てる。
よそにはやらないよー千里眼を持つ女家長マーサの決断により、赤ん坊はヴァイン家の8人の女たちに育てられることになった。
フランクと名づけられた男の子は、大戦の残した傷跡から立ち上がろうとする町で、風変わりな一族に囲まれて大きくなってゆく。
彼だけの秘密の話し相手、“ガラスの中の男”とも一緒に…。
現代英国幻想小説界の巨匠が鮮やかに描き上げた、生と死のさまざまなかたちを見つめる家族の物語です。
なんとも摩訶不思議な感じがする作品です。